「パネライ」の進化は、挑戦の歴史である
ダイビングとは、自身の内面の体験である。そう語るのは、かつてフリーダイビング競技で世界チャンピオンとして活躍したフランス人ダイバー、ギョーム・ネリーだ。引退した現在も、彼の海への愛と敬意は変わらない。その彼の腕には、同じく海への情熱を持つ時計、パネライが常にある。
海、そして挑戦。両者をつなぐ強い言葉
挑戦と恐れはコインの表裏だ。恐れを振り払い、勇気を持って挑んだ者だけが、賞賛や栄誉の美酒を獲得するのだ。パネライの腕時計がやけに似合う、ひとりの男がここにいる——彼の名はギョーム・ネリー。
パネライがブランドの軸として掲げる4つのキーワード、「光」「デザイン」「海」「革新」。フランス人フリーダイビングチャンピオン、ギョーム・ネリーは、その「海」の世界観を体現するブランドアンバサダーとして活動している。2015年、彼は世界記録となる129mに挑戦中に、運営側のミスにより139mという驚異的な深さまで到達してしまった。残念ながら水面に戻るまであと数mのところで意識を失い、公式記録にはならなかったが、フリーダイビング競技史上最高深度まで到達した男になったのだ。彼の美しいダイビングは、www.paneraitraits.comで公開されている。
足にフィンを装着して潜る種目(CNF)で世界記録を4度も塗り替え、当時世界新の117mに到達したフリーダイバー。呼吸のできない閉塞した空間で、ただひたすら深みを目指す。ある地点から浮力と重力が入れ替わり、体は自由落下していくという。恐怖を克服し記録達成を果たした彼は、まさに“挑戦者”だ。
その腕元で大きな存在感を放つパネライの腕時計もまた、挑戦の歴史に彩られている。イタリア海軍が要求する高い基準を実現するために、防水性や耐久性、視認性などの機能向上を研鑽。頑丈なクッションケースや特徴的なリュウズプロテクター、ラジオミール塗料のダイヤルなどは、ブランドの挑戦の証しだ。
また、1993年より高級時計ブランドとして時計界に再登場するや一躍高評価を獲得。2005年には自社製キャリバーP.2002を発表した。その後も、レガッタ用のカウントダウン機構や複雑機構も交えて、続々と自社製ムーブメントをリリースしている。さらに、革新素材の開発やサイズのアップデートなど、過去の栄光に安住しない姿勢も潔い。
今春、パネライはネリーとブランドアンバサダー契約を結んだ。海と強いつながりを持ち、挑戦する姿勢を常に貫く共通点を持つ両者。このパートナーシップに異論を挟む者はいないはずだ。